おつかれさまです、スコシです。

釣った魚を締めるのに、ナイフやハサミを使う方はとても多いと思います。

ここでは、こうした用途のナイフやハサミにを持っていく際の注意点について記したいと思います。

法律の話です。

スコシは法律家というわけではない素人なので精一杯調べたつもりですが、「ここ違うよ」といったことがありましたら「お問い合わせフォーム」やブログのコメント欄(どの記事でも構いません)にてご教示頂きたく、よろしくお願いします。

銃刀法、軽犯罪法

ナイフの所持と携行に際して気を付けなくてはならないのは、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)と軽犯罪法。

銃刀法も軽犯罪法も、どうにもスパッと書いてない。

たぶん、よく言えば弾力的に、悪く言えば恣意的に運用できるように、わざとボカして書いてあるんだと思うな。

ともあれ、刀剣類は所持が厳しく規制されていますが「刀剣類に該当しない刃物」、たとえばナイフや包丁なら所持は問題ないね。

だから、刀剣に該当しない範囲で、安心して買おう。

ちなみに刀剣類の定義もあるけど、ここでは省略。

釣り人にとって大切なのは、銃刀法第二十二条。

(刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止)
第二十二条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。

それから軽犯罪法第一条第二項

第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
 二 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者

色々調べたら、警視庁がものすごくわかりやすく記していました。

警視庁 生活環境課 銃砲刀剣類対策係

さすが警視庁だね。

業務その他正当な理由

業務については、警視庁のサイトで

社会生活上の地位に基づき、反復継続して刃物を使用することがその人にとって仕事であり、刃物を使うことが業務にあたる場合(例えば調理師が仕事場に行くため包丁をバッグに入れて持ち歩くなど)をいうと解されています。

と記されています。

釣りに行って魚を締めるのは、普通は「業務」としては解釈してもらえないね。

その一方で、正当な理由としては

社会通念上正当な理由が存在する場合であり、例えば、店から刃物を購入して自宅に持ち帰るような場合等をいいます。
繁華街等で「からまれると困るから…」などの理由で護身用に持ち歩くのは、正当な理由には当たりません。

とも書いてある。

釣った魚を締めるとか、キャンプで料理をするため、山菜採りや狩猟のために携帯するのは正当な理由として認めてもらえそうということだね。

携帯

釣りに行くためにナイフを携帯することそれ自体は「社会通念上正当な理由」になるので、問題ありません。

で、先の警視庁のサイトには、銃刀法における「携帯」とは

自宅又は居室以外の場所で刃物を手に持ち、あるいは身体に帯びる等して、これを直ちに使用し得る状態で身辺に置くことをいい、かつ、その状態が多少継続することをいうとされています。

と書かれています。

釣りに行くことは携帯する正当な理由だから、これが許される。

ということは、まさか釣り場まで電車に乗って行く時にナイフを手に持っていても良いのか…?

で、軽犯罪法における携帯とは

自宅又は居室以外の場所で、手に持ったり、身体に帯びるなど直ちに使用できる状態で、人目につかないよう隠して身辺に置くことをいいます。
(刃物等を人目に触れにくくして持ち歩いたり、車内に隠し持ったりすると、隠して携帯していることになる場合があります。)

と書いてあります。

これによると、正当な理由なくして隠して持つのはダメだよということ。

じゃあやっぱり釣りに行く時はナイフを剥き出しで持ち歩かないと…

…ダメです。

銃刀法の「正当な理由」は、魚を締めるそのときにナイフを取り出して手に持って使っていいよ、ということ。

軽犯罪法の「正当な理由」は、釣り場まで行くときの道中及び釣りをしている最中、と解釈されているらしい。

だから、釣り場までの道中は「銃刀法での『正当な理由』」にはならないから、「銃刀法での『携帯』」つまり「刃物を手に持ち、あるいは身体に帯びる等して、これを直ちに使用し得る状態で身辺に置くこと」は許されない。

つまり、ナイフを手で持ってちゃダメです。

一方で、「軽犯罪法での『正当な理由』」の中には釣り場への移動が含まれているから「軽犯罪法での『携帯』」が許される。

もっとも、「直ちに使用できる状態」についてはかなり広く解釈されているので、車に積みっぱなしとか、そういうのはアウトになるかもしれないって補足説明されているんだよ。

なお、Twitterで相互さんに伺った話では、「釣具と一緒にバッグに入れておく」はOKで、「釣具とは別のバッグに入れておく」はアウトという警察の方針らしい。

そのソースは見当たらなかったけど、法令、施行令、施行規則までは一般人でも調べられるけど運用指針とかそういうのは難しくてね。

迷惑行為防止条例

都道府県にもよりますが、北海道には迷惑行為防止条例というものがあります。

第2条 何人も、道路、公園、広場、駅、興行場、飲食店その他の公共の場所(以下「公共の
場所」という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物(以下「公
共の乗物」という。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
⑴ 多数でうろつき、又はたむろして、通行人、入場者、乗客等の公衆に対し、いいがかり
をつけ、すごむ等不安を覚えさせるような言動をすること。
⑵ 正当な理由がないのに、刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を
加える器具として使用できるもの(以下「危険器具」という。)を振り回し、突き出す等危
険器具を用いて通行人、入場者、乗客等の公衆に不安を覚えさせるような行為をすること。

ということで、正当な理由がないのに刃物を用いて通行人、入場者、乗客等の公衆に不安をおぼえさせるような行為は禁じられています。

やっぱり移動中は手で持ってちゃいけないし、釣り場のトラブルでナイフを見せて威嚇するなんてのは論外ということだ。

あったんですよ、ナイフで威嚇して逮捕された人がいるっつー事件が…。

結局どうすればいいの?

銃刀法と軽犯罪法と迷惑行為防止条例を読んで、当たり前の結論に達しました。

  • 釣りに行くのにナイフ持ってくのは良いけど、ちゃんとタックルバッグ等にしまっておこう。
  • 財布とか入れてるバッグや、剥き出しで車の中に転がしたりダッシュボードに入れたりするのは良くない。
  • 釣り場に着いたら、釣った魚を締めるときになって、そこで初めてナイフを取り出して締めて、洗ったり拭いたりしてすぐにしまおう。

これだけだね。

ちなみに

警察の方から職務質問を受けたこと、ありますか?

スコシは、何度かあります。

釣りに行く途中じゃないし、別に何のやましいものも持ってませんけれど。

カバンの中や財布の中やら何やら、全部見せさせられて。

良い気分はしないね…

…ですが、素直に従った方が良いです。

ゴネると余計面倒なことになるという話は、よく聞きますね。

釣り人としては、例えば車の中にナイフを置き忘れていたとかカバンに入れっぱなしだったとか、そういうのは危険。

とにかく注意しよう。

というか、刃物自体の危険性

法律や条例に引っかかるかどうかという問題以前に、刃物は危険なものです。

暗い夜の港でヘッドライトを頼りに魚を締めるのは、慣れないと意外と大変なもの。

慣れれば簡単だけどね。

慣れてても慣れてなくても、手元には厳重に注意してください。

アンチカットグローブという、切れないグローブを使うのも手だけど、まあそこまではやらなくて良い気もします。

それから、きちんと研いで、よく切れるものを使うこと。

「切れないなぁ…」と、変な力を入れてしまうことは怪我への第一歩。

エラを切るときは、ナイフより剪定ハサミが楽で良いよ。

おしまい

大げさに記してしまいましたが、普通の感覚なら普通に持ち歩けば基本的には大丈夫。

法令遵守のために注意したいのは、必ず正当な理由(ここでは、釣り)で持ち歩くこと。

対警察という意味では、その正当な理由を証明できるものと一緒に持ち歩くことと、すぐに取り出せるようにはしないこと。

「ロッドとかリールとか持ってないけどナイフだけ持ってます、釣りに行くんだと主張しています」というのは、ちょっと無理がある。

腰に挿しとくのは論外だし、タックルバッグと別のカバンに入れとくだけでも、難癖つけられかねない。

釣り具とセットで…というか、ナイフも釣り具であるという認識で取り扱おう。

怪我なく、痛くもない腹を探られることなく、楽しく釣りをしましょうね。

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