バレルに焼き色をつけてみよう

2020年6月5日


バレルを焼く、なんのこっちゃと思われるかもしれません。

バレルを焼いて、色々なカラーコーティングが出来るのです。

基本的な焼き方だと、グラデーションになるよ。

ひと手間加えると、均質にな色に焼くことも出来ます。

…が。

バレルを焼くのは極めて危険な行為です

火事や火傷、バレルに対する不可逆的なダメージを与えるといった危険があります

厳重な注意と自己責任の元で実施してください

と、脅して脅して脅します。

それでも自己責任でやってみたい方は、どうぞ。

なお、この方法はTwitter等で様々な方に教えていただいたりやり方を調べたものを、やっちなりにアレンジしたものですので、申し添えます。

下準備

バレルを焼いて色を付けるといっても、直接色がつくわけではありません。

タングステン表面の透明な酸化皮膜が出来て、光の屈折で色がついているように見える、という理屈です。

では具体的に記しますが、とにかく危険なので厳重な注意と自己責任でもって実施してください。

必要なもの

  • 六角レンチセット
  • アルカリ性洗浄液(セスキ炭酸ソーダやアルカリ電解水でも可)
  • 水道
  • バレル磨きセット
  • ポリエチレンの使い捨て手袋
  • 中性洗剤
  • 歯ブラシ
  • 出来れば無水エタノール
  • ラジオペンチやピンセット
  • キッチンペーパー

六角レンチセット

何の規格のコレ!と言えればいいのですが、やっちはどっかにやってしまってよくわからない…。

バレルのネジ穴に突っ込んで、緩すぎずキツすぎないものを選んでおきます。

このとき、バレルによってどれくらいの深さまで突っ込めるかというのも違うので、その辺も注意しておきます。

バレルの洗浄

何はなくともまずはバレルを洗浄します。

[blogcard url="https://metalfisher.com/darts_top/washing/"]

理想は、長時間のアルカリ洗浄。

金属の黒ずみをなるべく落としてやります。

市販のバレル用アルカリ性洗浄液には「30秒〜1分漬け込んで」と書いてありますが、やっちは10分以上、場合によっては一晩漬け込んだりするね、自己責任で。

市販バレル洗浄液をお持ちでない方は、セスキ炭酸ソーダやアルカリ電解水もオススメ。

じっくり漬け込んだり、洗浄液を温めたりして、とにかくバレル表面の酸化を還元します。

最後に、流水でじっくりすすぎます。

アルカリ性洗浄液が困難であっても、表面のゴミなどを落とすために何らかの方法で洗浄してくださいね。

バレルの研磨

バレルを磨こう」にも記しましたが、ここからは後戻り出来なくなります。

[blogcard url="https://metalfisher.com/darts_top/polishing/"]

バレル表面がザラザラしているかツルツルか、これが焼き上がりのツヤに直結します。

焼いてからツヤを出すのは不可能、焼く前の下処理で決まるんだ。

ツヤ消しにしたいなら敢えて荒く研磨してもいいけど、個人的にはおすすめできないね。

ただのくすんだ焼きバレルが完成すると思います。

研磨は、電動ドライバーと耐水ペーパーでとにかく徹底的にやって、ツルツルのピカピカにしてあげよう。

頭の話じゃないよ、バレルの話だよ。

バレルの再洗浄と脱脂

さらに、もう一度洗浄します。

これは研磨した削りカスを落とす目的と、皮脂を完全に落とす大切な目的です。

皮脂が付いていると焼きムラに繋がるんだ。

この時は、中性洗剤と歯ブラシでひたすら無心でゴシゴシします。

縦カットがある場合は、もちろん縦にもゴシゴシ。

ポリエチレンの手袋を履いて行うのがベスト。

激〇ちクンを使う方もいるみたい。

で、下準備最後の工程が、洗い終わったら無水エタノールにドボンすることです。

無水エタノールは簡易的な脱脂と脱水を同時に行ってくれる優れもの。

無水エタノールが手に入らない場合は、ここは飛ばしてOK。

水にドボンしておきましょう。

このままキッチンに向かってキッチンペーパーを広げ、ラジオペンチやピンセットでバレルを取り出します。

キッチンペーパーにバレルを置いて、転がして拭いたり鼻栓ネジ穴に紙縒りを突っ込んだりトントンしたりして、バレルの内外を乾燥させます。

ポリエチレンのグローブを履いたままバレルを持って、ドライヤーの冷風を当てたりPC周辺のホコリを吹き飛ばすエアダスターを使うのも手だね。

皮脂が残っていると、こういう焼きムラが出来てしまう。

焼きの作業

ここからは、火災や火傷、バレルへの不可逆的なダメージなど、危険がいっぱいです。

それでもやってみたいということであれば、続きをどうぞ。

必要なもの

  • 厳重な注意
  • バレルがダメになる覚悟
  • ガスコンロ
  • 六角レンチセット
  • ラジオペンチ
  • あればピンセット
  • 水を張っておける耐熱性の金属または瀬戸物容器

道具の配置

物をどのように置いておくかというのも大切です。

特に無水エタノールを使用する方は、火から遠いところに置くこと。

引火の危険があるからね。

また、キッチンタオルが火に近いと、これまた引火の可能性があります

焼けたバレルをキッチンペーパーに落としたことがあるのだけど、みるみる焼け焦げて行ったさ…危険なので、ここも注意してください。

バレルを火で焼いて水で急冷する、やっちが辿り着いた配置は。

いちばん危険な火の近くには水を準備、紙、無水エタノールと離していくこと。

間違っても、焼いて急冷する過程で熱々に焼けたバレルが紙やエタノールの上を通らないように。

焼いていると何が起きるか

バレルは、高温によって表面に酸化皮膜を作っていきます。

どれだけ温度を上げるかによって酸化皮膜の厚みが変わる説と、高温度にどれくらいの時間曝すかによって酸化皮膜の厚みが変わる説とありますが、よくわからないね。

  • 長時間焼けば色は変わる
  • 火から離せば残り熱で少し変色の進行が進むけどすぐに止まる
  • 火に突っ込んで急激に加熱すればすぐに色は変わる

以上、経験則。

構え

まず、バレルのネジ穴に合う六角レンチを取り出します。

レンチを焼くわけではないので、この時点ではレンチ自体は素手で扱ってOKだよ。

ポリエチレンのグローブを履いてバレルを掴んでレンチを刺すとか、横たわってるバレルにレンチを突っ込んでキッチンペーパー越しに持ち上げるとか。

やっちは、後者です。

バレルにレンチを突っ込んだら、ポリエチレンのグローブは絶対に外してください、万一グローブに引火したら、火傷が重症化します

…で、レンチをラジオペンチでしっかり掴んで、こう構える。

台所汚いって言わないで。

年季ものなんだ。

焼く

ここからは、本当に後戻りが出来なくなります。

くどいほど記します。

火災や火傷の危険、加熱・急冷といったバレルへの不可逆的ダメージについて、厳重な注意と覚悟をもって、自己責任にて行ってください。

大切なバレルが破損しても、やっちは責任を負いかねます。

さて、先に記した構えで火にかけます。

構えてから火をつけるのはオススメできないね、うっかり手に火傷を負うかもしれない。

火をつけてから、構えたバレルを慎重に火にかけよう。

手首を返したり色々工夫して、周囲から満遍なく焼くことで焼きムラを防ぐことが出来ますね。

多少は焼きムラは出来ちゃうけどね…。

なお、焼くと言っても火の中に突っ込んで急激に加熱するよりは、少し火から離してじっくり加熱していく方が綺麗に出来るということを、やっち自身もやっちの周囲でも確認しています。

焦らずやろう。

動画は4倍速、フリー素材の音楽をつけています。

また、出来れば昼、自然光の中で焼く方が色の変化が見やすく美しく見えるのでオススメですが、これは各自の環境もありますし蛍光灯の下でも問題ありません。

逆に、自然光の中ではガスコンロの火が見えづらいというデメリットもありますし。

さて、加熱していると、徐々に濃い金色に変色してきます。

そのまま炙って加熱を続けていくと濃い金色→紫→濃い青→水色→薄緑→薄金→薄紫→緑→赤銅色…と、色が変わっていきます。

通常、バレルの先端から色が変わり始めて後端(つまりレンチ側)へと変わって、グラデーションになります。

個人的には、焼き続けるにしても薄緑から薄い金色で止めておくのがいいかと思います。

行っても薄紫、しかも先端付近だけ。

赤銅色は、やりすぎだと思います。

これ以上加熱したこともありますし、だから破損したということはないのですが…やりすぎ注意。

慎重すぎるくらいが丁度いいね。

焼き終わったら、本当は自然冷却がベストなのですが、水を張った容器にドボンして急冷しても今のところ問題は生じておりません。

このとき、六角レンチも完全に水に沈めること。

いくら熱伝導があるといっても冷えるのは水没した部分だけで、水から突き出ている部分は相当熱いです。

ちなみに、水にドボンしたバレルの焼きが足りないなぁと思ったら、再度しっかり乾燥させてまた焼けば続きから変色させることが出来ますが…

加熱・急冷を繰り返すとバレルに与えるダメージは明らかに大きくなりますので、諦めるのも一つの手だと思います。

勇気ある撤退。

さて、ここまで来たら、焼きあがったバレルを早く見たくて堪えきれずに水から出してデュフフと自己満足に浸るもよし、それはそれとして置いといて2本目を焼くもよし。

3本とも焼くことになると思うけどね、これらの焼き上がりを同じに揃えるのは、かーなり困難です。

やっちは一身上の都合により、敢えて3本異なる焼き加減にしていたりします。

均一に出来ないんじゃないよ、しないんだよ。

出来る自信もないけど。

グラデーションではなく均一に焼きたい

通常はバレル先端が一番よく加熱されるので、バレル先端から色が変わっていきます。

それでグラデーションになる。

でも、均一な色に焼きたいこともあるよね。

そういうときは、まずバレルの後端から炙ってあげます。

焼いていると、どうしても先端から火が通っていくので、あらかじめ後端を炙っておくの。

バレルの後端を炙るのは、ティップ側にレンチを突っ込んで焼くのもいいけどティップ側のネジ穴は深くないので、それは難しい。

火への配置を工夫しよう。

後端がある程度変色したところで、全体を炙り始めるわけ。

バレルを炙りつつ火から離して熱伝導で変色を進め、先端から炙り…と繰り返していくと、キツいグラデーションにはなりづらい。

これも気長にやろう。

ただしこの方法でも、本当に均質に焼くのは難しいです。

やっちもたまに試しますが、あまり上手くいかないことが多いです。

焼き上がり

こんなふうになりますね、焼くと。

さっきやっちは書いたよね、3本を同じように焼くつもりは無いって。

上から順に

  • 軽く加熱:青→紫→濃い金
  • じっくり加熱:薄金色→薄緑→水色
  • 急加熱:薄金色→薄緑→水色→濃い青→(紫→)濃い金

どうやって、どのくらい加熱するかによって、結構変わるんだ。

綺麗かどうかは主観によるけど、狙い通りに焼けたと思っているよ。

ちなみにやっちは、これは狙い通りだの焼き上がりだけど、これ自体を綺麗だとはあまり思っていません。

その後

普通に使っても良いんですが、やっちはここから思いっきり磨いてしまいます。

銀色に輝くなか、カットの内側にだけ色を残すのがやっちの趣味。

だから、3本均質にこだわらない方が楽しいし、上の写真のような焼き具合を狙ったんだ。

磨き方は、さっきも紹介したけど、こちら

[blogcard url="https://metalfisher.com/darts_top/polishing/"]

1000番から始めて、徹底的に表面を磨き直して銀色を復活させるのだ。

すると、カットの内側だけ色が残って、こうなります。

どやぁ!?

だから、敢えて3本同じじゃない方が楽しいと思いません?

ません?

思うよね?(威圧)

もう1セット自慢させて!

これも美しいね!

よね?(威圧)

やっち的に最高傑作です。

なお、スティールポイントを着けたまま焼くとスティールポイントとタングステン合金の熱膨張率には違いがあると考えられるし、スティールダーツのバレルの構造上何が起きるかわからないので、ポイントを抜いてもらって、焼いて、戻してもらいました。

スティールは構造上、ソフト以上にリスクが大きいと思います。

バレルをダメにしてしまうかもしれないことを覚悟して焼いてください。

今回は、たまたま上手くいっただけだと思っています。

まとめ

  • バレル焼きは超ハイリスク
  • 火の扱いには厳重注意
  • やるなら覚悟が必要